2016年に入り、中南米を中心に、蚊媒介感染症の一つであるジカ熱の妊婦への感染が問題となっています。特に 妊娠中の感染によって赤ちゃんが小頭症を発症する可能性が疑われています。
ジカ熱とは、蚊に刺されることによるウイルス感染症のひとつです。
日本では、ジカ熱と呼ばれておりますが、熱が出ないことが多く、感染しても症状は全くないか軽くて気づかないことが多いとされています。
症状としては、発熱、頭痛、眼球結膜充血、皮疹、筋痛、関節痛等がありますが、数日で治ることがほとんどです。
日本国内では今の所は流行していない感染症ですが、流行地に観光や仕事などででかけた方が現地で蚊に刺されて感染し、帰国してから発症する場合があります。潜伏期間は2~7 日(~12 日)です。
WHOは、2016 年 2 月1日に、「ジカウイルス感染症流行地域における多数例の小頭症児出生」は「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」であると発表しました。
感染を避ける方法は、皆さんもよくご存知の、夏に蚊に刺されを予防する方法を考えていただければと思います。(外出の際には、長袖、長ズボンを着用する。薮など、蚊が発生しやすい場所への立ち入りを避ける。虫除け(スプレー、蚊取り線香等)をつける。網戸、蚊帳を使う、など)
ただし、妊娠中の感染によって赤ちゃんが小頭症を発症する可能性が疑われているため、妊婦さん、妊活中の方は、ジカ熱の感染流行地に渡航することは可能な限り控えてください。 (妊婦のジカウイルス感染が、胎児に小頭症を引き起こしているかについては、未だはっきりしていません。)
今年は、ブラジルでオリンピックが開催予定ですが、妊婦さんとそのご家族は、必要がない限り、渡航は控えた方が良さそうです。
参考となるサイト一覧
ジカ熱に関する情報提供について(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000109908.html
ジカウイルス感染症に関するQ&Aについて(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109899.html
ジカウイルスと小頭症などの増加に関する WHO 緊急委員会報告について(厚生労働省)
http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/zika/27chi3_226.pdf
感染症危険情報(外務省)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?infocode=2016T012#ad-image-0
ジカ熱(国際感染症センター 国際感染症対策室)
http://www.dcc-ncgm.info/topic/topic-ジカ熱/
妊婦のジカ熱感染と小頭症の発生のおそれについて(日本産婦人科医会)
http://www.jaog.or.jp/news/160122zikavirus.pdf