2014年11月26日水曜日

サンクスギビング。まるで日本のお正月とお盆?

 サンクスギビング(Thanksgiving day; 感謝祭)は、毎年11月の第4木曜日。宗教に関係なく、アメリカ中で、家族、友人が集まってお祝いする日です。日本でいうと、お盆とお正月が合わさった感じでしょうか?

Mayflower II at Pilgrim Memorial State Park pier in Plymouth MA
復元されたメイフラワーII号
1620 年9月、イギリスから清教徒(ピルグリム ファーザーズ)たちが、メイフラワー号とに乗って、ボストンの南の街、プリマスにたどり着きました。
当初の目的地は、バージニア。それよりもかなり北に到着してしまいました。
Erinn sewing homesite
ワンパノアグ族の女性
そんなを彼らを待ち受けていたのは、ボストンの厳しい冬。到着した102名の内、約半数はその冬を越す事が出来ませんでした。翌年、食べるものに困った彼らに食料を与え、農作物の作り方を教えてくれたのはアメリカ先住民であるネイティブアメリカン、ワンパノアグ族(Wampanoag)たちでした。

 翌1621年の秋は、沢山の収穫に恵まれ、ピルグリムファーザーズが、ワンパノアグ族を招待して、神の恵みに感謝して、共にご馳走をいただいたことが始まりといわれています。
いまでも、プリマスにあるプリマスプランテーションでは、毎年11月には、その当時の感謝祭を再現した食事が楽しめるイベント が開催されています。

毎年この時期には、子供達は、あなたは何に感謝しますか?感謝している事を書きましょう、という課題をもらいます。感謝祭には、感謝の気持ちをもって、伝えて、ゆっくりと過ごせるといいですね。
感謝祭の食事
プリマスプランテーション
感謝祭の正餐のメインディッシュとなるのは、お腹に詰め物をした、大きな七面鳥の丸焼き。グレービーソースや、ニューイングランド特産のクランベリーソースを添えていただきます。副菜には、マッシュポテトとグレービーソース、さやいんげんのキャセロールなどが一般的で、デザートには、アップルパイやパンプキンパイが供されることが多いようです。

 さて、現代のサンクスギビングですが、ホストになる家の主夫・主婦は一ヶ月位前から、ゲストリスト作成に始まり、当日のメニュー決め、食器・テーブルクロスなど、食料品以外の必要物品の買い出し・準備をします。そして、当日に向け、少しずつ作り置き出来る品の料理と、準備を進めます。大掃除に始まり、お正月に向けて、お節などの準備をする様な感じですね。数日前からは、オーブンをフル稼働で、料理を仕上げます。 ですが、最近は忙しい家庭も多くなっていますので、スーパーなので、調理済みのセットを購入する事もでき、利用する家庭も多くなってきています。

 2日前位から、人々は実家に向けて移動を開始します。これも、お盆前後の帰省ラッシュの様な感じですね。

 そして、サンクスギビング当日。この日ばかりは、日本の元日と同じように、ほとんどのお店がお休みになります。街には人気がなく、これもまた、お正月の都心の様な感じですね。ですが、これも日本と同じく、最近では、サンクスギビングにも開いているお店も、少しずつ増えてきました。

 家族、友人とお腹一杯、お料理を楽しんだサンクスギビング翌日の金曜日は、ブラックフライデー。あらゆるお店が、一斉に大セールをします。Door busterと言われる目玉商品を買う為に、深夜・早朝の開店に向けて、早くから人々の行列ができるお店もあります。

 今年のボストンは、感謝祭前日から、スノーストームの予報ですが、皆様、暖かくして、楽しい感謝祭をお過ごし下さい!


2014年11月25日火曜日

ベークセール(Bake Sale)から、アメリカの寄付文化を考える

先週は、子供達が通っている現地の学校で、日本関係のイベント、Japanese Food Fairが開催されました。ボストン近郊で、多分最大の日本人家族数を誇る現地校で行われるベークセールには、近隣のお店からの寄付もありますが、日本人お母さん達作成の、素晴らしい食品が並びます!
著者が作ったのり巻き16パック!頑張りました!

担当した売り場の唐揚げ($2)、細巻き($2)、太巻き($3)

焼きそば($1)稲荷寿司($1)と、どれも格安

手作りワッフルほか、日本のお菓子コーナー

ベーカリーから寄付された品々など

塩むすび($1)は、今では現地校の子供の大好物です!

今では、Sushi(すぅしぃ、という感じに、すぅにアクセントがあるのが、アメリカ風)といえば、ヘルシーな日本食を代表する(?と思われている)人気の食べ物になりましたが、その昔は、日本食、寿司などは全くメジャーではなく、おにぎりやのり巻きの海苔をたべているとEww(気持ち悪い)といわれたりした時代もあったそうです。

日本食を紹介して、日本の食文化を理解してもらおうと、この Japanese Food Fairが始まり、現在では30年以上の歴史を持つイベントとなり、今では、学校の生徒、先生、父兄の皆が楽しみにするイベントとなりました。

このフェアの目的の第一は、日本食に対する理解を深める事ですが、第二の目的は、学校の為のファンドレイズ(お金を集めること)です。 今回のフェアでは、純利益は、$3823.25でそれらは全てPTO(PTA)に寄付されました。ちなみにこの学校のPTOは、一年間に約7万7千ドル(約770万円)を寄付で集め、それらは教室の備品、コンピュータや、遠足代の補助など、学校が必要とするものに使われます。

日本とアメリカの違いは、色々ありますが、この寄付に対する感覚の違いには、私も当初とても驚かせられました。あらゆる機会で、色々な団体が、寄付を募っているのです。内閣府税制調査会資料によると、2002年に、アメリカで個人が寄付をした総額は22兆9千億円にも上るのに対し、日本では2189億円と、実に100倍以上の大きな開きがあるそうです。

ボストンは、ハーバード大学医学部関連病院が沢山あるため、病院の為の寄付金集めのイベントの他、色々な病気に対する認識、理解を深めてもらい、治療に繋がる研究をサポートする為のイベントも、よく行われています。

良くあるのが、『**walk and run』といったイベントです。
**には、病院の名前や、病気の名前が入ります。たとえば、Breast cancer walk and Runですと、乳癌にかかった人やその家族、友人たちを中心とした人々が、5マイル(8km)、10マイル(16km)といった距離を歩いたり、走ったりして、訴えます。

2014年のAvon walk for Breast Cancer Bostonでは、220人の乳癌治療後の女性、287人の男性を含む、1700人の参加者が街を歩き、実に380万ドル(約3億8000万円)の寄付金を集めました。そして、そのお金は、マサチューセッツ総合病院50万ドル(約5千万円)を始めとするボストンの病院の乳癌研究に寄付されました。

たった1日で、何億という寄付金が集まる理由には、『文化の違い』『税制上の違い』 があります。さらに、それが『習慣化』している事。

『文化』背景としては、自分の稼いだお金のうちの1/10を献金を教会に献金する、といったキリスト教の文化が根底にあることや、「お金を持っている人が、貧しい人に分け与えるべきである」という文化があるためと思われます。

『税制上の違い』 としては、アメリカでは、寄付は通常、所得控除(itemized deduction)として算入されるため、メリットがあり、税金として支払うより、自分がサポートしたい所に寄付をしよう、という行動に繋がりやすい、といえます。

そして『習慣化』。子供の頃から、寄付をする事が当たり前として、生活しています。アメリカ育ちの我が家の子供たちも、学校で、日々の授業の一環として、寄付活動を行っています。例えば、クラスで演劇発表会をする際に、観劇チケットを一枚$10で販売、観に来たい親や友人などが購入し、その売り上げを、近くの小児病院の施設に寄付。授業でホンジュラスについて学んだ時には、ホンジュラスの子供達に学用品を送る為に、ベークセールをする、などなど、例を挙げるときりがありません。ベークセールの際には、私が色々と作る事になりますが、これも慣れで、さっと出来るようになってきました(笑)。

 お金持ちでも、そうでない人にも、寄付する事は、ごく身近な、当たり前の行為になっていること、寄付金を集める行為が、あらゆる機会で行われているので、寄付が習慣化してくるのでは、ないでしょうか?

ホリデーシーズンは、寄付活動が盛んになる季節でもあります。今年も、子供達と相談して、気持ちばかりですが、寄付をしたいと思っています。
我が家が、毎年寄付している団体は、 ワールドビジョンという団体です。(日本語サイトはこちら
毎年このシーズンにおくられてくるカタログ。寄付をした人(著者)の名前がきちんと入っている。また今年も寄付をしようという気分になりますね。

今年のホリデーシーズンは、世界中の人々が、楽しく健康で過ごせますように!

2014年11月4日火曜日

ボストンのハロウィン 〜トリック・オア・トリート編〜

ハロウィン当日の目玉は、何と言っても夜のTrick and Treatです。街のあちこちに、Spooky(幽霊のような、気味の悪い)な飾り付けをしている家がありますので、そこを回ります。

保護者も一緒に子供達と回ります。安全なTrick and Treatのためにも、Trick and Treatに行ってよい家とダメな家を見分ける必要があります。ハロウィンの飾り付けをしてある家、カボチャなどを玄関先に出している家はOK、出ていない家は、行っては行けません。

1992年には、ハロウィンパーティに行こうとしていた日本人留学生が、誤って銃で撃たれて、お亡くなりになった事件もありました。銃社会アメリカ。十分に気をつける必要があります。

さて、今年は、ボストンの街の中心部にある高級住宅街、Beacon Hill ビーコンヒルといわれる所まで、足を伸ばして、 Trick and Treatしてきました。

Pinckey St., とMount Vernon St., は、毎年夕方から車は通行止めになるので、子供連れでも安心してTrick and Treatが出来ます。
Mount Vernon St.にて。窓やベランダの飾り付けが素敵。

Acorn St. ビーコンヒルらしい石畳の通りです。

公園内に置かれた蜘蛛。首が動くのですが、ちょっと怖い(Spooky)!

街路樹に、パンプキンで作ったランタンが飾ってありました。

道沿いの家では、凝った飾り付けをしてある所が多く、キャンディを貰わない付き添いの親は、街並や装飾を楽しみながら、子供を見失わないように歩きます。
一緒にTrick or Treatに行ったお友達と。

今年の子供達のハロウィンの衣装は、定番の魔女やカボチャと行った衣装以外では、予想通り、アナと雪の女王のエルサの衣装が多かったですね。男の子では、Minecraftが、目新しかったです。

夕方になると、気温が摂氏で一桁になる10月末のボストンでは、寒くない衣装を選ぶ事も大切です。
 また、緯度の高いボストンは、秋になると日が暮れるのも早いので、安全の為には、子供達には、何か光るもの(Glow braceletなど)を身につけさせたり、親は懐中電灯を持参すると良いでしょう。皆さん、安全に Trick and Treatを楽しみましょう! 

8" LumiStick Brand Glowsticks Glow Stick Bracelets Mixed Colors (Tube of 100)
光るブレスレット Glow stick bracelet。Amazon.com他、 スーパーなどで購入できる。

T&Tの結果、今年は、子供達は娘が122個、息子は144個のキャンディを集めて帰ってきました。

なお、こんなにたくさんのキャンディ、チョコを、子供達に全部あげる訳には行きませんが、替わりに親が食べるのも危険(笑)なので、処分に困る家庭もあるかと思います。
我が家は、集まったキャンディは、子供の分として一部を取り分け、残りはCandy Buy backなど、地元の団体を通じて寄付する事にしています。集められたキャンディは、海外にいる兵隊さん達に届けられます。 

http://www.halloweencandybuyback.com/about.html

2014年11月1日土曜日

アメリカの小学校でのハロウィンパーティ

今日は10月31日。子供達が待ちにまったHalloweenです。

今日ばかりは、子供だけでなく、大人も職場で仮装したりして、楽しみます。 うちの夫もインディジョーンズの仮装をして、出勤していきました。職場は小児病院なので、仮装していくと、患者の子供達も喜んでくれるのではないでしょうか?
小児病院の研修医達による仮装!


さて、アメリカの小学校ですが、4年生の息子のクラスでは、スナックタイムに授業の時間をプラスして1時間15分、ハロウィンパーティがありました。

 クラスのルームペアレンツ(クラスの保護者の代表)が中心となって、ヘルパーを募集した所、保護者6人(21人クラスです)が集まりました。こういった行事は、子供達の、教室での普段の姿を見る良いチャンスです。 皆で、ハロウィンっぽい、スナックとアクティビティを準備しました。参加した保護者6人の内、男性は2人でしたが、その2人とも主夫というのも、アメリカ的ですね。

日本だと、ハロウィン=ジャック・オー・ランタンの可愛いカボチャ、というイメージが強い様な気がしますが、アメリカでは、もっとSpooky(気味の悪い、幽霊のような)な物を準備します。

今日一日、子供達は、いたるとこで甘い物を食べる事になると思い、私は甘くないものを準備しました。Mummy dogs (ミイラ ホットドッグ)です。
アメリカにはCrescent Rollという、缶に入ったパン生地(クロワッサン生地)

が売っているので、それを細く切って、ソーセージに巻き、オーブンで焼く事8〜10分。マスタードで目を付けて、完成です。
今回は子供用に、ウインナーを使いましたが、ホットドックのソーセージで作ると、巻くのも簡単で、食べ応えも出てよいと思います。

特製のMummy dogs
他にも、保護者が工夫をこらして準備したスナックの数々をご紹介します。
クラスルームに準備されたスナックの数々 手前はライスクリスピーで出来た、ジャックオーランタン

ジャック・オー・ランタン 2種。真ん中はみかん、へたの部分はセロリ。外側はプリッツェルのチョコがけ、へたは緑のM&M


お化けの手。手袋にポップコーンを詰め、爪の部分はキャンディケーンでできています。
 子供達は思い思いに、好きなスナックをもらって食べ、その後に、クラフト作りを楽しみました。
綿棒で骸骨作り


午後は、学校の校庭を使って、仮装パレードが予定です。可愛い我が子を見ようと、大人も仕事を抜けて、見学に集まります。
思い思いの仮装をした子供達が校庭をパレードします。