2013年3月29日金曜日

妊娠する前に、知っておいて欲しい事(その2)


前回に引き続き、今回も、妊娠する前に知っておいて欲しい事をお話していきたいと思います。

体重

適性体重は、ボディーマスインデックスBody Mass Index; BMI)と言う数値を使って示す事が出来ます。
BMIは、身長と体重から導きだせます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
ですので、例えば、身長160cm, 体重55kgの女性の場合は、
BMI=55(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=21
となります。
妊娠をするのに適した体重は、20から24の間です
ちなみに、日本肥満学会では、BMI25以上の場合、肥満、18.5以下の場合を低体重としています。妊娠中体重の過度な増加は、妊娠性糖尿病や高血圧または血栓の形成といった、合併症発症のリスクを上げます。体重が重い妊婦は、大きな子供を産む傾向があり出産が困難になり帝王切開が必要となる事が、妊娠前に標準体重だった女性より多くなります。また、体重が重い妊婦が、帝王切開を受ける場合、麻酔や手術による合併症の発症リスクが上がり、母子の健康を危険に陥れる可能性が高まります。
また、BMI18.5以下の低体重の女性の場合、女性ホルモンが適切に分泌されなくなり、月経不順や無排卵などを引き起こしやすくなり、これらは不妊の原因になります。無理なダイエットは、健康にも、妊活にも良くありません

運動


運動が、心身の健康に良い影響があることはすでに良く知られていますもしあなたが、現在、定期的な運動されている場合はそれを継続することをお勧めしますしかし、不妊治療のに使われ卵巣に多数の卵胞を形成する作用があります(卵巣が大きくなります)ので、治療中には、激しい上下運動を伴う運動例えばランニングやエアロビクスといったものは避けた方が良いでしょう水泳自転車ウォーキングトレッドミルなどは問題がありませんので、ぜひ続けてください

婦人科検診

妊活中も、定期的な一般婦人科検診受けることは重要です血圧一般診察、内診、及び子宮頸がんがん検診は必ず1に一度は受けるようにしてください40歳以上の女性、上記に加えて、12年に1マンモグラフィーをとることが推奨されています

2013年3月27日水曜日

妊娠する前に、知っておいて欲しい事(その1)



今回は、妊活を始める際に、まず知っておいていただきたい事をまとめたいと思いますが、その前に、もう一度、妊活という言葉の定義について、考えていきたいと思っています。
『妊活バイブル』の共著者、白河 桃子さんは、妊活とは、『意志をもって授かること』と書かれています。私は、妊活という言葉を、妊娠、出産など生殖に関わる事柄について、積極的に学び、考え、計画し、実行していく事を総合的に表す言葉として、使っていきたいと思います。一般的に妊活=不妊治療、と考えられる傾向があるように思われますが、不妊治療は、妊活中に行われる事のある行動の一つ、であって、全てでないと考えております。

さて、前置きはこのくらいにして、本題に入りたいと思います。
今回は、妊娠を始める前に知っておきたい事をまとめて書きたいと思います

妊活には、二つのゴールがあると考えています。第一のゴールは、妊娠を希望する人が、妊娠、出産に至る事ですが、もう一つは、妊娠に至る事ができなくても、心身の健康手にすることではないでしょうか。これらのゴールを手に入れるために、ご自身で出来る事を一つ一つ説明していきます。

タバコ

タバコによる健康へのはすでによく知られている思います。タバコは、心疾患や、癌、慢性的な肺疾患などを引き起こします。喫煙は生殖機能(リプロダクティブヘルス)にも、悪影響を及ぼします。例えば、妊娠中の喫煙は早産のリスクを上昇させ胎児の発育を妨げその他の合併症引き起こしますさらに 自然妊娠体外受精などの治療のどちらに置いても、喫煙者は、男性女性共に妊娠率が低下している事が知られています。
もし、今あなたがタバコを吸っていられるのであれば、禁煙する事を強くお勧めします。もし、禁煙するのが難しいようでしたら、禁煙プログラムを提供してくれる医師にご相談される事をお勧めします。


アルコール

妊娠中はアルコール一切控えて下さい。妊娠中のアルコールの摂取は、胎児性アルコール症候群といった、先天異常の発症率を上げる事が知られているからです。さらにアルコールは妊娠率を下げ、流産率を上げる事も知られています。それゆえ、妊娠を希望する女性は、 完全にアルコールをやめるか、もしくはアルコールは月経周期の最初の1週間のみにする事が、勧められます。男性においては、少量および中等量のアルコールは、妊孕力には関係しないと言われております

カフェイン

コーヒーやお茶ソフトドリンクやチョコレートなどに含まれていますが、女性カフェイン摂取すると、妊娠率が下がり、流産のリスクを上げるいう研究がいくつかのグループに寄ってなされています。カフェインの摂取は完全に控えるか少なくともカフェインの入っている飲み物は一日に一杯のみに制限した方が良いでしょうカフェインの摂取は、男性の妊孕力には影響を及ぼさない事が知られています。

処方薬

生殖補助医療に関係ない処方薬に関しては、必ず産婦人科医、不妊専門医にご相談下さい。医師に薬を処方してもらう際には、必ず妊娠を希望している事を伝えて下さい。アスピリン(アセチルサリチル酸、商品名、バファリンなど)は、排卵を妨げる作用がある事が知られていますので、排卵期での摂取控えて下さい。漢方薬に関しても、必ず婦人科医、不妊専門医にご相談下さい。

ビタミンサプリメント

妊娠前、及び妊娠初期に葉酸を摂取すると、二分脊椎症(背骨の形成異常)の発症率を50%〜70%下げることが知られています。妊娠を希望する女性は妊娠前から葉酸を少なくとも一日400 mg摂取することが推奨されています。葉酸は、処方してもらう事もできますし、一般薬局のサプリメントコーナーでも販売されています。

<a href="http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2NBXIL+A4E2A+3G4C+60OXD" target="_blank">
<img border="0" width="100" height="60" alt="" src="http://www24.a8.net/svt/bgt?aid=160120173017&wid=001&eno=01&mid=s00000016086001011000&mc=1"></a>

<img border="0" width="1" height="1" src="http://www18.a8.net/0.gif?a8mat=2NBXIL+A4E2A+3G4C+60OXD" alt="">

また、マルチビタミンには、脂溶性ビタミンであるビタミンAが2500〜5000単位ほど含まれている事が多いですが、ビタミンAの過量摂取は、先天異常の発症を増加させるというデータがありますので、一日に10,000単位以下にとどめて下さい。

食事

普段、何を食べているどれだけ運動しているかは、当たり前ですが、私たちの健康に大きな影響を及ぼしますし、妊孕力にも影響を及ぼします。一般的なアドバイスとしては女性は野菜フルーツ炭水化物タンパク質乳製品などを、バランスよく摂取し、高脂肪のもの、油は、控えめにする事が、勧められま
妊娠中は水銀が高濃度に含まれている大型の魚の摂取はなるべく控えたほうが良いでしょう。一週間で摂取してよい魚の量と種類は、厚生労働省による以下の資料を参考にして下さい。