前回に引き続き、今回も、妊娠する前に知っておいて欲しい事をお話していきたいと思います。
体重
適性体重は、ボディーマスインデックス(Body Mass Index; BMI)と言う数値を使って示す事が出来ます。
BMIは、身長と体重から導きだせます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
ですので、例えば、身長160cm, 体重55kgの女性の場合は、
BMI=55(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=21
となります。
妊娠をするのに適した体重は、20から24の間です。
ちなみに、日本肥満学会では、BMIが25以上の場合、肥満、18.5以下の場合を低体重としています。妊娠中の体重の過度な増加は、妊娠性糖尿病や高血圧または血栓の形成といった、合併症の発症のリスクを上げます。体重が重い妊婦は、大きな子供を産む傾向があり、出産が困難になり、帝王切開が必要となる事が、妊娠前に標準体重だった女性より多くなります。また、体重が重い妊婦が、帝王切開を受ける場合、麻酔や手術による合併症の発症リスクが上がり、母子の健康を危険に陥れる可能性が高まります。
また、BMIが18.5以下の低体重の女性の場合、女性ホルモンが適切に分泌されなくなり、月経不順や無排卵などを引き起こしやすくなり、これらは不妊の原因になります。無理なダイエットは、健康にも、妊活にも良くありません。
運動
運動が、心身の健康に良い影響があることは、すでに良く知られています。もしあなたが、現在、定期的な運動されている場合は、それを継続することをお勧めします。しかし、不妊治療の際に使われる薬には、卵巣に多数の卵胞を形成する作用があります(卵巣が大きくなります)ので、治療中には、激しい上下運動を伴う運動、例えばランニングやエアロビクスといったものは、避けた方が良いでしょう。水泳、自転車、ウォーキング、トレッドミルなどは問題がありませんので、ぜひ続けてください。
婦人科検診
妊活中も、定期的な一般婦人科検診を受けることは重要です。血圧、一般診察、内診、及び子宮頸がんがん検診は、必ず1年に一度は受けるようにしてください。40歳以上の女性は、上記に加えて、1〜2年に1度マンモグラフィーをとることが推奨されています。