2015年1月17日土曜日

自分の名前について考える ー別姓、改姓の大変さや、プライバシーの問題などー


今日は、自分の名前について考えた事を、つれづれにお話したいと思います。

私は自分の旧姓、金子智子が好きでした。苗字と名前が、『子』で韻を踏んでいるなんておかしい、とからかわれる事も多かったですが、生まれてから結婚するまでの31年間、ずっと使ってきた名前です。やはり愛着があります。旧姓で仕事をし、論文を書き、業績を少しづつ積み上げてきました。

ところが31歳で結婚するにあたり、名前をどうするか、考えなければならなくなりました。

まず、ここでフラストレーション。
日本では、結婚後の姓は男女どちらの姓を選んでも良い事になっていますが、多くの場合が女性は男性の姓に変更することになります。戸籍制度上、今の所、夫婦別姓は認められていません。私は、中国や韓国の様に、女性も一生涯名前を変更する事無く暮らし、結婚後は、妻だけ別姓で家族を形成する、子供の姓は夫と同じ、というのも、あっていいと思うのですが、、、。

私はアメリカで結婚したため、少なくとも、アメリカの法律上の名前は自分の好きなように選べました。
選択肢は5つ
1.私だけ旧姓のまま
2.私が夫の名字に変更する
3.夫が私の名字に変更する
4.私だけ、旧姓と夫の姓をハイフンで繋ぐ。
5.夫も私も、旧姓と夫の姓をハイフンで繋いだものを使う

等がありました。
 
姓を変更すると、本当に煩雑な手続きが伴います。
銀行口座、クレジットカードを始め、運転免許書なども、全て名義を変更しなければなりません。

いろいろ悩みました。
結論は、アメリカでは4の、私だけ旧姓と夫の姓をハイフンで繋いだラストネームを使う事にしました。
理由は、夫と私のなまえが、智と智子と、一字だけ違い、読み方も、とも、ともこ、という風に、あまりにも酷似しているためで、ラストネームが同じだと、区別がつかなくなる可能性があまりにも高かったからです。

4を選んだ今でも、色々な所で、 情報が混ざりあってしまい、お互いが間違えられる事があり、未だに苦労しています。

日本では、戸籍法に乗っ取って、姓を選ばなければならず、私は夫の姓を名乗ることにしました。 その結果、日本でも、銀行口座、クレジットカードを始め、運転免許書、医師免許書、保険医登録書といった数々の書類の名義変更が必要でした。全ての手続きを終えるまで、かなりの時間がかかり、なぜ、私だけ、こんなに大変な思いをしないとならないのか、と腹が立ったのを今でも覚えています。

そして、日本のパスポート。
パスポートに旧姓を併記してもらう為には、特別な手続きが必要でした。
あまり、一般的で無いため、過去に同じ様に旧姓併記を申請した方の記録を参考にして、申請し、無事併記してもらう事が出来ました。
でも、日本のパスポートでは、旧姓ー現姓をハイフンで繋いだ形は、未だ認められず、現姓(旧姓)という記載のみ、可能でした。
これについては、いつかまた、ブログで書きたいと思っています。
 
また、改姓の問題とは話が変わりますが、夫の苗字は、比較的珍しい苗字のため、個人特定性が高くなってしまうのが、嫌でした。

なんでも、インターネットで調べると情報が出てくる世の中です。
個人特定性の高い名字を名乗ると、一般には公開したくない個人情報が特定されやすくなり、知らない間に知られてしまうような怖さがありました。
この点については、これからも気をつけていく必要があります。
(突然、全く知らない人から、ダイレクトメッセージが届く、などというのは、本当に気持ち悪い物です。メールソフトなどでフィルタリングをしていても、すり抜けてくる物もあります)。

最近は、本名で原稿を書く機会が増えてきました。
玉石混淆な情報が溢れる現在において、自分の名前がついた記事に関しては、信頼がおける情報源と考えてもらえる様に、努力しながら書いていこうと思っています。

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