2015年10月19日月曜日

日本でも、経済格差による保健格差が明らかに。「コウノドリ」第一話 未受診妊婦をみて

 ついに始まった、綾野剛さん主演の、TBSのドラマ「コウノドリ」第一話。日本のお産の現場が丁寧に、産婦人科医の私と、小児科の夫で、食い入るように見てしました。

Save The Childrenがまとめたデータによると、2015年、日本はお母さんに優しい国ランキングで172カ国中32位でした。また、先進国のお母さんの中で死亡する確率が最も高いのはアメリカのお母さん(妊産婦死亡の生涯リスクは1,800人に1人)でした。
 また、注目のデータは、日本では職業による保健格差が明らかになったこと。例えば、無収入世帯は、高所得世帯より、子どもが1歳未満で亡くなる可能性が7.5倍でした。(1,000人当たり10.5人対1.4人)
 TBSのドラマ「コウノドリ」第一話では、未受診妊婦がテーマでしたが、お金がなくて、頼る人がなくて、妊婦検診を受けないで過ごすことも、決して稀な出来事ではなくなっていること、そしてそれは母子の健康を脅かしていることがはっきり示されました。
 母子手帳をもらうと無料の受診券がついていることや、出産に対して出産一時金の支給があることや、出産費用を軽減してもらえる助産制度があります。ですが、このような制度の情報が、必要な人にきちんと届いていないのです。
 ネット全盛の情報社会では、玉石混淆の情報の海の中に、大切な必要な情報が埋もれてしまいますね。 
 私も、妊活、妊娠、出産に関する必要な情報が、必要な人のところに届かない現状を、少しでも変えていきたいと思っています。

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