2014年11月25日火曜日

ベークセール(Bake Sale)から、アメリカの寄付文化を考える

先週は、子供達が通っている現地の学校で、日本関係のイベント、Japanese Food Fairが開催されました。ボストン近郊で、多分最大の日本人家族数を誇る現地校で行われるベークセールには、近隣のお店からの寄付もありますが、日本人お母さん達作成の、素晴らしい食品が並びます!
著者が作ったのり巻き16パック!頑張りました!

担当した売り場の唐揚げ($2)、細巻き($2)、太巻き($3)

焼きそば($1)稲荷寿司($1)と、どれも格安

手作りワッフルほか、日本のお菓子コーナー

ベーカリーから寄付された品々など

塩むすび($1)は、今では現地校の子供の大好物です!

今では、Sushi(すぅしぃ、という感じに、すぅにアクセントがあるのが、アメリカ風)といえば、ヘルシーな日本食を代表する(?と思われている)人気の食べ物になりましたが、その昔は、日本食、寿司などは全くメジャーではなく、おにぎりやのり巻きの海苔をたべているとEww(気持ち悪い)といわれたりした時代もあったそうです。

日本食を紹介して、日本の食文化を理解してもらおうと、この Japanese Food Fairが始まり、現在では30年以上の歴史を持つイベントとなり、今では、学校の生徒、先生、父兄の皆が楽しみにするイベントとなりました。

このフェアの目的の第一は、日本食に対する理解を深める事ですが、第二の目的は、学校の為のファンドレイズ(お金を集めること)です。 今回のフェアでは、純利益は、$3823.25でそれらは全てPTO(PTA)に寄付されました。ちなみにこの学校のPTOは、一年間に約7万7千ドル(約770万円)を寄付で集め、それらは教室の備品、コンピュータや、遠足代の補助など、学校が必要とするものに使われます。

日本とアメリカの違いは、色々ありますが、この寄付に対する感覚の違いには、私も当初とても驚かせられました。あらゆる機会で、色々な団体が、寄付を募っているのです。内閣府税制調査会資料によると、2002年に、アメリカで個人が寄付をした総額は22兆9千億円にも上るのに対し、日本では2189億円と、実に100倍以上の大きな開きがあるそうです。

ボストンは、ハーバード大学医学部関連病院が沢山あるため、病院の為の寄付金集めのイベントの他、色々な病気に対する認識、理解を深めてもらい、治療に繋がる研究をサポートする為のイベントも、よく行われています。

良くあるのが、『**walk and run』といったイベントです。
**には、病院の名前や、病気の名前が入ります。たとえば、Breast cancer walk and Runですと、乳癌にかかった人やその家族、友人たちを中心とした人々が、5マイル(8km)、10マイル(16km)といった距離を歩いたり、走ったりして、訴えます。

2014年のAvon walk for Breast Cancer Bostonでは、220人の乳癌治療後の女性、287人の男性を含む、1700人の参加者が街を歩き、実に380万ドル(約3億8000万円)の寄付金を集めました。そして、そのお金は、マサチューセッツ総合病院50万ドル(約5千万円)を始めとするボストンの病院の乳癌研究に寄付されました。

たった1日で、何億という寄付金が集まる理由には、『文化の違い』『税制上の違い』 があります。さらに、それが『習慣化』している事。

『文化』背景としては、自分の稼いだお金のうちの1/10を献金を教会に献金する、といったキリスト教の文化が根底にあることや、「お金を持っている人が、貧しい人に分け与えるべきである」という文化があるためと思われます。

『税制上の違い』 としては、アメリカでは、寄付は通常、所得控除(itemized deduction)として算入されるため、メリットがあり、税金として支払うより、自分がサポートしたい所に寄付をしよう、という行動に繋がりやすい、といえます。

そして『習慣化』。子供の頃から、寄付をする事が当たり前として、生活しています。アメリカ育ちの我が家の子供たちも、学校で、日々の授業の一環として、寄付活動を行っています。例えば、クラスで演劇発表会をする際に、観劇チケットを一枚$10で販売、観に来たい親や友人などが購入し、その売り上げを、近くの小児病院の施設に寄付。授業でホンジュラスについて学んだ時には、ホンジュラスの子供達に学用品を送る為に、ベークセールをする、などなど、例を挙げるときりがありません。ベークセールの際には、私が色々と作る事になりますが、これも慣れで、さっと出来るようになってきました(笑)。

 お金持ちでも、そうでない人にも、寄付する事は、ごく身近な、当たり前の行為になっていること、寄付金を集める行為が、あらゆる機会で行われているので、寄付が習慣化してくるのでは、ないでしょうか?

ホリデーシーズンは、寄付活動が盛んになる季節でもあります。今年も、子供達と相談して、気持ちばかりですが、寄付をしたいと思っています。
我が家が、毎年寄付している団体は、 ワールドビジョンという団体です。(日本語サイトはこちら
毎年このシーズンにおくられてくるカタログ。寄付をした人(著者)の名前がきちんと入っている。また今年も寄付をしようという気分になりますね。

今年のホリデーシーズンは、世界中の人々が、楽しく健康で過ごせますように!

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